酸素の正体②【黙ってても発生する活性酸素はこいつらだ!】

炎の画像

<<<<①の続きです
酸素から変化した活性酸素について詳しく解説していきます。化学が苦手な方も大丈夫だと思います・・・

死ぬまで避けられない「酸素由来の活性酸素」

早速前回の続きを、順を追って説明すると2.の一重項酸素は、酸素に紫外線が当たることで変化し生まれます。主に紫外線が直接当たる目や皮下組織で発生するもので皮膚がんやしみ・しわ・白内障や緑内障などの原因となる酸化ストレスを与えます。酸化させる力は4種の活性酸素の中で2番目に強い。

余談ですが、通常の酸素と一重項酸素の電子の違いは素人目には微々たるものですが酸化力は大きく違ってまいります(下記図参照)。電子の数は全く同じでも、配置される場所で毒性が大きく変わるのも酸素の面白いところですかね・・・

三重項酸素と一重項酸素の違い

続いて、
3.のスーパーオキシド・アニオン・ラジカル(以下、スーパーオキシド)、4.の過酸化水素、5.ヒドロキシル・ラジカル(以下、ヒドロキシル)はひとつずつ説明するより一連の流れで説明した方が分かり易い。

酸素が最も消費される場所は細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアという細胞内小器官です。ご存知のように好気性生物(酸素を使う生物)は栄養を酸素で燃やしてエネルギーを作っています。この酸素を燃やしたときに発生するのがスーパーオキシドです(※)。※ここでは簡略化して説明しております。詳しく知りたい方はミトコンドリアのページ(準備中)をご覧ください。

ここで理解しやすいように一旦エネルギー循環の話をします。専門用語をなるべく使わずに理解するためにはどうしても回りくどくなってしまうことをお許しいただきたい。

植物は光合成といって、炭酸ガス+水+太陽エネルギーでATP(別名:エネルギー通貨)を合成し、廃棄物として大気中に酸素を放出しています。人間などの哺乳類は植物が光合成で合成したブドウ糖やデンプンなどを、植物が放出した酸素で燃やしてATPを合成し、廃棄物として炭酸ガスと水を放出します

当然これが全てではないのですが、ここでは関係の深い水と酸素に限って言えば、人は植物が水から作った酸素を利用し、植物は人が酸素から作った水を利用することで助け合っている(循環)。もちろん栄養素等々においても同様のことが起こっています。

結論を急ぐと、人は吸った酸素を水に変えることでエネルギーを合成しているとも言えるんです。この酸素から水に変わる過程で発生するのが活性酸素です。そして、この反応の鍵を握っているのが電子という「小さな存在」素粒子です。下図をご覧ください。

酸素の化学反応のイメージ画像

酸素が電子(e-)を受け取ることでスーパーオキシドに変わり、スーパーオキシドが電子を受け取ると過酸化水素となり、過酸化水素が電子を受け取るとヒドロキシルになります。そして、更にヒドロキシルが電子を受け取ってようやく安全な水(H2O)という安定した分子になり落ち着きます。

スーパーオキシドの酸化力は少量だとそれほど強いわけではありません。条件によって酸化(電子を奪う)と還元(電子を与える)の両方の反応が起こります。スーパーオキシドは体内で大量に発生するため、放って置くと怖いヒドロキシルの発生源になることもあります。

過酸化水素は。オキシドールなどの消毒液にも使用される非常に安定した活性酸素種です。しかし、細胞膜などを通過するらしく寿命も長いため、体内をうろつきその先でスーパーオキシドや、ミネラルなどと反応するとヒドロキシルに変化します。

ヒドロキシル(ヒドロキシル・ラジカルの略ですよ)は、ここまで紹介してきた活性酸素の中で最も酸化力が強い。具体的にはスーパーオキシドの100倍酸化力が強いといわれます。体内の物質から容易に電子を奪い取り傷害を与えたり、脂質の酸化リレー反応を引き起こし細胞死の原因をつくる活性酸素といわれるものです。もうひとつ厄介なのは、体内ではこれを消去するための酵素をもっていない(或いは見つかっていない)ことです。

この活性酸素によりDNAや細胞膜、血液の中を流れているコレステロールなどへの傷害が修復されずに蓄積してくると「老い」や「病気」の原因のひとつになることが分かってきています。もし、人の体内にはこの活性酸素の害を少しでも減らそうとするシステムが備わっていなかったら直ちに命を落としてしまう。と、いうより生まれてくることすら出来ないほどに活性酸素は毒性が強いんです。

次回は、人に備わった活性酸素防御システムをご紹介しようと思います。